深 視 力(眼精疲労も含む)
深視力とは「立体視」の事をいいます。見た物を立体的に知覚する能力です。
深視力は、自動車の運転免許を取得するときに必要になることがあります。
普通免許は必要ありませんが、二種免許や大型免許を取得するときに必要になります。
「遠近感」は単眼で感じることはできますが、「立体感」は視力は勿論ですが、両眼の機能が正しく働かないと感じることはできません。
上記の絵を見て下さい。
絵に描かれた橋は遠くにあり、絵を描いている人は近くにいることが分かります。
これは単眼で見ても分かります。これが「遠近感」です。
実際は三次元の中で生活しています。
単眼で見ている方も、今まで生きてきた中で脳が学習して立体感っぽく感じて、生活に
大きな支障がきたすことは少ないと思いますが、実際大型免許を取得しようとして深視力(三桿
計)を測定してみると、真ん中の棒が前後に動いていることが分かりません。
立体視を得るには、一般的に様々な要素の複合的な効果とされています。
そして人間が立体視を感じるためには以下の生理的要因が主に考えられます。
1)両眼視差
ある一つの物を見る時に、右眼と左眼ではそれぞれ異なった方向から見ているその性質の
ことを示し、それは左右眼の距離に大きく依存します。
2)輻輳(寄り目)
物を見る時には、左右眼がそれぞれ物に視線を合わせます。
その動かす量は物までの距離によって変化します、この変化から奥行きを知覚します。
3)調節(ピント合わせ)
輻輳(寄り目)は視線合わせのことですが、調節(ピント合わせ)とは物をハッキリ
見るためにピントを合わせる機能です。
人間の眼の中には、ピントを合わせるためのレンズ(水晶体)があります。
分かりやすく言いますと、若い時には遠くから近くまでピントが合いますが、40歳
を過ぎるとピントを合わせる力が弱くなり、近くの物や文字を見る時に老眼鏡が必要と
なります。
70歳くらいになりますと、皆さんもよく耳にすると思いますが、白内障(水晶体が濁る)
という病気となり、水晶体を取り出します。
それも見る距離により水晶体がその距離にピントを合わせます。
ピントを合わせた量により奥行きを知覚します。
4)運動視差
これは単眼でも感じられます。
たとえば、アニメで高速に動く車に乗っている感じを出すために、近くにある物や風景
ほど速く移動し、遠くにある物や風景はゆっくり動かすことにより、リアル感が出せます。
ようするに、見た物が動くことによって眼に異なる像が結像させるため、その違いによって
奥行きを知覚します。
このように、両眼が正しく機能しているかを、様々なテストで機能が低下している機能を見つけ
出し(これはメガネを調製するときにも必須です[本物のメガネについてを参照下さい])、低下
している機能を向上させるようなメガネで、正しい両眼視機能に戻さなければ、「深視力」に
合格することはできません。
しかしながら、深視力が合格できないということは、今までの生活の中で両眼視機能が上手に働いていなかったということになります。
それをメガネ調製することにより、即座に上手に働くという事は、両眼視機能低下の量と言いますか、大きなズレが無かった人です。
少なくても20数年間の生活で上手に両眼視機能が働いて無かった人は、メガネで調製しても
即座に上手に働くことは極めて少ないです。
メガネの井上(JoyVisionAichi)に来られる深視力で合格しなかった人の70〜80%はメガネだけで上手にならない人です。
ならばどうすればいいか?
ビジョントレーニングが必要になります。
どうすれば上手に両眼視機能を働かせ、脳に知覚させるかが重要です。
メガネで眼が整っても、知覚する脳が正しい立体視を知覚してもらわなければ結局立体感覚は
手に入れることができません。
ちゃんと立体感覚を自分のものにするまでに半年とか月日がかかる人もおられましたが、何とか
合格し、安全運転をしています。
両眼視機能をしっかり自分のものにするためには、ビジョントレーニングを1年〜1年6ケ月
ほどかかります。
その時に深視力に合格したとたんにビジョントレーニングを止めてしまい、次回の免許更新の時に
再びトレーニング指導を受けに来られる人も少なくありません(勿論ちゃんと続けていただいた
人でも、メガネの度数等が変化して合格しなかったとい人も居られます)。
せっかくですので、この機会にしっかりビジョントレーニング行っていただき、正しい両眼視機能を手に入れていただきたいと思います。
そうすることにより、仕事等(とくにパソコン作業)の作業能力も高くなり、趣味で野球等
球技をされている人は、よくボールが見えるようになったりもします。